2010年7月30日金曜日

「文学のまちづくり」プロジェクト活動概況(その2)

第5回目(7月26日)の意見交換会を小田原文学館(白秋童謡館)にて開催。具体的な活動内容、今後の進め方について話合いました。

(1)文学散歩道マップの内容検討
 ・コース案の検討  (文学者や作品にゆかりのある場所を中心に、ストーリー性を持たせた内容とする)  
  なお、コースの下見を8月6日実施予定。
(2)文学館を中心にした取り組み事業(イベント等)の開催について  
 ・文学サロンの開催について
 ・催物、イベント
 ・関連グッズの販売等
(3)文学に関する情報提供(ブログ)
 ・小田原出身の主な文学者は投稿済。
  なお、今後、小田原ゆかりの文学者を順次紹介 していきます。       
  
 

2010年7月28日水曜日

⑨ 北原武夫

小田原出身の文学者たち(⑨)
≪年代:1907年~1973年≫
出身地:幸町
人物:
 小田原町幸町一丁目に生まれる。大正13年開業医の父の意思により旧制新潟高等学校理科へ入学。医師になる気は無く慶応大学文学部予科卒業。都新聞に勤める一方、昭和8年坂口安吾らと雑誌「桜」を創刊。14年「妻」が芥川賞候補となり文壇に登場。きわめて都会的な作風を特徴とする。
代表作:
 ・「桜ホテル」 
 ・「魔に憑かれて」
 ・評論「告白的女性論」など

⑧ 薮田義雄

小田原出身の文学者たち(⑧)
≪年代:1902年~1984年≫
出身地:幸(現・本町)
人物:
 神奈川県立小田原中学校(現小田原高校)3年の時に伝肇寺に寄寓していた北原白秋を訪問したのをきっかけに白秋門下となり、詩作の道に進む。「評伝北原白秋」「北原白秋と私」などは白秋研究の貴重な資料となった。
代表作:
 ・詩集「白沙の驛」
 ・「評伝北原白秋」
 ・「北原白秋と私」など

⑦ 川崎長太郎

小田原出身の文学者たち(⑦)
≪年代:1901年~1985年≫

出身地:万町(現・浜町)


人物:
 箱根の旅館を取引先とする魚商の家に生まれ、大正6年に神奈川県立小田原中学校(現小田原高校)に入学したが、後に中学を中退。その後、上京して徳田秋聲の門下に入る。


代表作:
 ・「裸木」 ・「抹香町」
 ・「忍び草」など

2010年7月24日土曜日

⑥ 尾崎一雄

小田原出身の文学者たち(⑥)
≪年代:1899年~1983年≫
出身地:下曽我村
     (現・曽我谷津)
人物:
 三重県度会郡宇治山田町(現伊勢市)で生まれ、明治41年に下曽我に戻る。明治45年に神奈川県立第二中学校(現小田原高校)に進学し、在学中に志賀直哉の「大津順吉」に感銘を受け、文学の道を志す。代表作「暢気眼鏡」で第5回芥川賞を受賞。
代表作:
 ・「暢気眼鏡」
 ・「虫のいろいろ」
 ・「美しい墓地からの眺め」
 ・「痩せた雄鶏」 ・「小鳥の声」
 ・「霧雨」 ・「石」
 ・「まぼろしの記」

⑤ 井上康文

小田原出身の文学者たち(⑤)
≪年代:1897年~1973年≫

出身地:割屋敷(現・本町)
人物:
 小学生の頃から俳句、短歌を雑誌や新聞に投稿していた。大正6年、東京薬学校(現東京薬科大学)卒業後、製薬会社に勤務しながら詩作に携わる。
代表作:
 ・詩集「愛する者へ」
 ・「愛子詩集」 ・「梅」
 ・「現代の詩史と詩講和」など

④ 牧野信一

小田原出身の文学者たち(④)
≪年代:1896年~1936年≫

出身地:緑(現・栄町)

人物:
 大正8年、早稲田大学英文科を卒業し、時事新潮社に勤務していたが、この頃に浅原六郎、下村千秋らと同人雑誌「十三人」を創刊。その第2号の「爪」が島崎藤村にみとめられ、翌年「凸面鏡」でデビューした。

代表作:
 ・「父を売る子」
 ・「鬼涙村」
 ・「ゼーロン」など

③ 福田正夫

小田原出身の文学者たち(③)
≪年代:1893年~1952年≫

出身地:十字(現・南町)
人物:
 明治41年、神奈川師範(現横浜国立大学)に入学した頃から詩歌に親しみ、大正2年に卒業後、根府川小学校の教員となるが翌年5年に東京高等師範(現筑波大学)に入学しなおす。「小田原音頭」「浜千鳥」など、小田原をうたった作品がある。
代表作:
 ・「高原の処女」
 ・「嘆きの孔雀」

② 辻村伊助

小田原出身の文学者たち(②)
≪年代:1886年~1923年≫
出身地:緑一丁目(現・栄町)

人物:
 小田原の豪商の家に生まれる。日本登山界の先駆者であると共に紀行文作家であり、日本山岳会の機関紙「山岳」に「飛騨山脈の縦走」「高瀬入り」などの紀行文を発表した。

代表作:
 ・「飛騨山脈の縦走」
 ・「高瀬入り」
 ・「スウィス日記」など

2010年7月23日金曜日

① 北村透谷

小田原出身の文学者たち(①)
≪年代:1868年~1894年≫

出身地:唐人町(現浜町)
人物:
 代々小田原藩士の家に生まれ
たが明治維新後、東京へ移転。
浪漫派の文芸運動の場として
島崎藤村らとともに雑誌「文學界」
を創刊した。
代表作:
 ・人生に相渉るとは何の謂ぞ
 ・内部生命論
 ・厭世詩家と女性
 ・蓬莱曲

小田原出身の文学者、ゆかりの文学者たち

 小田原は気候が温暖で、自然環境にもめぐまれたところです。そのような小田原からは、多くの文学者を生み育てるとともに、多くの文学作品の舞台ともなりました。
 「あの作家の生まれ育った場所を訪れてみたい」「あの文学 作品の舞台となった町を歩いてみたい」と言った思いに答える ため、小田原出身の文学者と小田原ゆかりの文学者の足跡 に触れてみましょう。
 以下に、先ず小田原出身の文学者を紹介していきます。
      ≪小田原出身の主な文学者たち≫
       文学者           年代
    ① 北村透谷       1868-1894 
    ② 辻村伊助       1886-1923
    ③ 福田正夫       1893-1952
    ④ 牧野信一       1896-1936
    ⑤ 井上康夫       1897-1973
    ⑥ 尾崎一雄       1899-1983
    ⑦ 川崎長太郎      1901-1985
    ⑧ 薮田義雄       1902-1984
    ⑨ 北原武夫       1907-1973

「文学のまづくり」プロジェクト活動状況

今年度の活動計画について、プロジェクト推進団体による意見交換会を実施。 文学のまちづくりの目指す姿(イメージ)の再確認、更に事例研究等を行い、 7月6日(第4回目)で今後の活動テーマを決めました。
すなわち、
 (1)小田原文学散歩道マップ作成
 (2)小田原文学館を活用したイベントの開催
 (3)文学サロン
 (4)文学に関する情報提供
 →どんな文学者がいるか整理し、情報発信 等
今後、各活動テーマにつき順次活動状況をお知らせします。ご期待下さい。